教訓2013/梅昆布茶
赤字国債という名の鳥
誰かの晩餐のフルコースが
過剰に国家予算に計上され何かを詐取してゆく
零細な階層があるとすればかつての巨大な墳墓の地下
王が黄泉の国でも安穏に暮らせるよう生きながら埋められたであろう
毎年生まれる百万人のゲットーの私生児たちは
母の子守唄を聴いたのだろうか
あるいは帰らない恋人への嘆きのうたを
悲しみに名前がない様に貧しさにも棲家がない
どこにでも転がっている流木のように
陽に晒されたひとりひとりなのだ
美が均衡と静謐にむかって穏やかに充実すべきものなら
心が悔悟のない判断者だったなら
時間が公平な略奪者であったならば
二万五千
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)