悪魔の悪書/るるりら
 
アクマで悪書を好んで読むわ
雨が降るみたいに 身体が溶けて流れ出しそうよ
中央線新宿駅の立川方面行きプラットホームの
真ん中の柱に寄りかかって死んだ目をしていても
悪魔なんかじゃないわ こんなの
水銀みたいに重い銀色の身体が ヘビィだなんて私らしくないわ

あいたい人は いるのよ
あいにく天使みたいなラブストーリィに はまっているの
頭の中は いつも アニメ声よ
あの人のガランドウの心が熟して食べごろになるのを待っているの
それまでは天使みたいな悪書を勉強しかしないの


十一月の最初の日の十二時には
生者の世界と死者の世界との間に目に見えない「門」が開き
異界との
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