水たまり/
殿岡秀秋
雨の朝
小学校に向かう道
長靴で水たまりに入って
退屈をけとばす
一瞬
水滴が空にむかって
飛んだのを見た
気がした
一緒に何かが
地上の繋ぎを解かれた
風船のように
ぼくから離れていった
水しぶきがはねて
額を濡らした
ハンカチで夢の残骸を
ふきとる
水たまりの中に
白い馬車が現れ
扉があいて
ぼくが乗るのを待っている
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