詩法にかかわる断片/空丸ゆらぎ
 

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短詩が感覚的に合う。一切の説明は不要。そこにある存在を描写し配置することで無を表現できる。もともとそういうふうに存在を見ているのだから。読者の思い込みに付き合う気はないが、思い込みの底に届くものを創ることだ。
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詩とは無の輪郭だ。言葉にできないものを言葉にして伝えるためにはその輪郭を描くことだ。「分かる」という奇妙な現象に伝える。
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未熟な作品と何が違うかといえば洞察力だ。潜在意識、脳の深いところで思考する。古典的にもいわれてきたことだが、だからこそこれを通過しないと進まない。単純で深く現実的、そしてどこか無があるもの。
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装飾には関心はない。いい素材をシンプル
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