同時多発ツイート連詩【おいしい水を】 こひもともひこ・リミックス/こひもともひこ
 
この汚い世界で。
魔法はいつだって存在するんだい。

深閑なる夢の、
手を伸ばす前に、
嫋やかな光の流線を見た。
甘い淡いときめきと、
涼やかなる時が戯言のように、
心の琴線に触れる。
雫になった想いが、
法則を創り、
水の精から愛を授けられた。
雨の正午
出したばかりの毛布 眠る一歳児の睫毛に宿る おいしい水 なんて穏やかな怠惰 わたしはむさぼる 地滑りするほどのゆるみ かつて妬ましいほどに 忌むほどに焦がれたそれに包まれて 膝から崩れおちても傷ひとつつかないやわらかな部屋で 桃の頬で珠になるおいしい水 幼い産毛に轍を残し放たれる 渇き始めた十月の部屋と この胸を潤し
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