まわる天気輪について/
高原漣
おれたちはずっと遠回りしつづけてきた
かかとをすり減らして
同じところをぐるぐると
赤いオーロラにてらされて
歩きつづけていた
こわれた街頭テレビのなかで
陰気なかおをした天気予報士が
あしたはきっとはれるでしょう
あしたはきっとはれるでしょう
あしたはきっとよいひでしょう
とだけ言った。
雨はもうじきあがるでしょう
人間の ことば
それはカタバミの種子に似て
丘をこえて芽吹くでしょう
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