私はヘルメスの鳥。私は自らの羽を喰らい、飼い慣らされる。/あおば
 
立てている
訴訟に疲れた技術者が居なくなり
いつのまにか勝者も退陣して
名前だけが今も残る
おぞましい感触だけの机上の紛い宝石箱から放射する美しい光に蓋を開けて内部を見ると
黒いビロード張りも歪んでいていかにも安物で低賃金故の粗雑な仕上げにため息をつくほどだが、この中に1/4カラットでも本物の紅玉を納めたならばため息も紛い物ではなくなって鈍色のブリキ板も銀板になり
由緒ありげな名前も付いているかも知れない
情報量の過多が消し去った数多の光の底に堆積されたため息の痕跡をあるもののように吹き飛ばそうとしていると
おきにいりだがきたないばしょだぜと
天井裏に案内された

タイトルは、caseさん




()





戻る   Point(2)