もうすぐ まもなく/nonya
 
きに食べられなくなるね

地球が流星群に見惚れて
その青くて生真面目な楕円運動を
ほんの少し歪ませただけで
君の好きな
涙目に沁みるモンサンミッシェル風の朝焼けも
僕の好きな
猫背を焦がすグランドキャニオン風の夕焼けも
たちまち凍てついてしまうね

もしかしたら
僕達が無駄に吐き出す
二酸化炭素に満ちた溜息だけでは
もうどうにもならないのかもしれない

もうすぐと言われ続けて
ずっと耐えてきた君のくちびるも
まもなくと言われ続けて
ずっと欺かれてきた僕のみみたぶも
まだまだと思いながら重ねてきた
決して見過ごせない僕達の罪も
マンモスのように氷漬けになって
未来の考古学研究所の床に
放置されるのかもしれない

どちらにしても
もうすぐ君はいなくなる
まもなく僕はいなくなる
と言ってももうすぐもまもなくも
宇宙サイズの話だけど
残念ながらこれだけは確実なんだよな



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