沙漠と薔薇/梅昆布茶
 
さらさらと無限にかたちを変えてゆくもの
どくどくと体の中を対流するもの
ぼそぼそと語りかけるもの
ろうそくの科学で薔薇の庭園を飾る
 
スズメバチの襲撃を警戒しながら僕たちは生きている 
空から降りてくる言葉に翻弄されて
穴のあいたバケツを打ち鳴らしながら
僕たちはまたフランス革命を起こさねばならないのかも知れない

せつないラブソングが街に流れまたクリスマスがやってくる
エルトンジョンがピアノのうえで踊るように
また今宵も踊ってみせるだけ

定義を定義する作業はもう沢山だ
欲しいのは小粋なひとつの歌
風を孕んで星を歌うのさ

沙漠が美しいのは何処かに井戸を隠し
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