(批評祭参加作品)−映画評−血と骨/いとう
情として子供たちのほうに目が向く。
特に濱田マリ演じる女性の、子供たち。
映画として最も興味を持ったのは、
監督の、かな? あるいは、映画自身の持つ、中立の視線。
どのようなエピソードであっても、
映画の視線はすべて中立で、どちらの立場にも偏っていない。
そして、偏らないまま、“最期”まで描ききっている。
そのエピソードをどのように受け取るかは、観客自身に委ねられていて、そういう意味において、観客が試されていると思う。
さらに、映画の中で示されたかったことの本質は、
金の生き様そのものであり、その本質の中では、
在日云々はおそらく、設定に過ぎない。
もちろんそういう目線から観られることをこの映画は許しているが、
本質はやはり、そこにはないと感じた。
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