生きる土地/木の若芽
「生きる土地」
木の若芽
母なる大地
わたしたちの歩みをやさしく受けとめてくれる
やわらかな土に
ありがとう
いつもいつも 緑の土地がある
または いつもいつも 茶色の土地もある
青春のときのわたしはどちらにも入りこんでゆける自由さがあった
けれどどちらにも暮らせなかった
みんなみんな やさしい土地がある
または みんなみんな きびしい土地もある
いつかわたしはどちらにも静かに暮らせる寛容さをもてるだろうか
今日の昼寝は
山懐に抱かれたようだった
雲海を泳ぐようだった
心地よい疲れとはこのようなものか
にこやかに働き
心地よく疲れ
よいうたた寝をして
草と風にいこう
10月の佳日
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