朝の天使が見えるなら/梅昆布茶
抱きしめたくなるような朝だ
今日の空から当番の天使が降りて来て鐘を鳴らす
空色のビイドロ細工の世界はいつものようにカーテン越しに
光の言葉で瞼を押し上げてひと時の旅を促がし始める
こんな日は人生が不思議な色あいで
さらさらと流れてゆく気がする
昨日のコンビニでの諍いなんてシルバービームの魔法で雲散霧消
とっておきの約束を今日だったら出来るだろうさ
打刻された封印は僅かな心のちからで外し得るもの
不毛の夢はいつか遠ざかり
忘れた歌をとりもどすほら
無常の岸辺を洗うさざなみを知っている君は
寸断された闇の記憶をたずさえて
生きてゆかねばならない
それ
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