ヌード/三田九郎
 
路上で抱き寄せて接吻した

ためらい、

それを乗り越える瞬間が

疎ましく

誇らしくもある

羞恥心を脱ぎ捨てた時

鼻腔を

喉の奥を

またたくまに全身を

満たしていく恍惚に

もっと傲慢に

溺れてしまっていいんだ

いつまでも反芻する夜

君も

僕も

通りすがりの者達も

何もかも

剥ぎ取ってしまえばいい
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