今宵は4つの瞳のために祈ろう/夏美かをる
 
娘とじっくりしてみたいと思うが
それは娘がもうちょっと成長してからだ




明日の朝も娘は瞳に涙を一杯溜めながら学校に行くのだろうか?

あんなに学校に行きたがっていた
マララの瞳は 明日になってもきっとまだ重い瞼の下 
輝きを失って沈んでいるだろう

どうか世界中の子供達が
瞳をキラキラさせて学校に通える日が来ますように…

革命家でも政治家でも宗教家でもない
ただの母親である私が 
そんなお願いをするのは、とてもおこがましい

どうか
娘が瞳を濡らさずに学校に通えるようになる頃には
マララの瞳も 再び優しい光を捉え 輝き出しますように―

ただの母親として
そのことだけを 
今宵はひたすら祈りながら 眠りにつこう


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