淑やかな衝動/笹子ゆら
 
たく意味をなさないことも
誰にも理解されないことも
よくわかっているつもりで
だからこそ
足りないことばで誤摩化そうと墓穴を掘ったりして
揺るがない甘さに怯えている


この震える気持ちが
すべて泡沫のように消えてしまえばいい
一時の気の迷いならばいい
でも
この気の迷いをどれだけの間続けているのか
もう知っていた


果たして、これは、
と問いただす必要もなく
冷ややかなような、ぬくいような
そんなことばで世界を変えようとしている


幻想でもなく夢でもなく
息が漏れるような甘さを持った
淑やかな衝動




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