玄関口/草野春心
 


  銀色の泥棒が気配を殺し
  しとしと駆けてゆく
  暢気なマーチのような
  秋枯れた並木道



  なにか、この先必要なものを
  玄関口に忘れてきた
  そんなふうな顔をして
  うつむく
  きみの足もとには
  赤く彩られた木の葉




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