恋に生きる/世江
 



恋に恋してた、あの頃の僕


今思えば、少し尖っていたのかもしれない


僕が好きだから君も好き。だなんて勝手過ぎる思いに酔いしれ、
形ない日々を、ただひたすらに生きてたんだ。



そのうち、抜け出せないループに嵌まって、
暗く狭い世界で僕は深く息を吸う………


吸い込んだそれは、肺を回って脳に渡り、




気が付けば、僕は空っぽになってた。














抜殻と化した僕には、音も光も見えなくて、





ただ分かるのは、この苦しみを持って生きているコト









何もかもを背にして、下を向いて生きているコト








ただ、それだけだったんだ。



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