下り坂の何処にて/
短角牛
僕の範囲は僕だけだ
僕だけだ
全身タイツのようやぴたりと
僕の中だけだ
部屋は広すぎる
空気が多すぎる
空間が広すぎる
年老いていけば
自分ですら自分の範囲でなくなっていく
既にその転落劇は始まっている
僕は僕なのに 僕でなくなっていく
今も自由じゃないのに まだ窮屈になっていく
努力に意味はあるのか?
焼け石に水じゃないか?
そう思うなら そうしろよ
そういって 皆何処かへと消えていく
糞程に美しい虹のように。
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