秋の夢/
草野春心
金色の水がつたうと
かたく四角いその壁は
栗鼠のようにまるくなる
ひとびとの話す声が
物陰にひしと隠れる秋
きみの舌は木枯らしをつかみ
それからねむたげに掌をひらく
「さあ、
おいで」
僕の見た
ただ一度の
陽の光に満ちた夢
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