twitter/葉leaf
 
僕は詩を読みます まだ聴いたことのない音を聴き、まだ見たことのない光を見るために詩を読みます 時には波に乗るようにして、時には地面を掘るようにして詩を読みます 何物でもなく、何物でもあるような未明の形体と融合するために詩を読みます ある時は机上である時は駅の喧騒の中で詩を読みます

雨滴がどこまでも落ちていき疲れ果てて地上へと身を横たえる 地上の水たまりに映った金木犀は憂鬱を酸素に光合成して曇った空へと進出する 病が椿の木の毛根をめぐり相手を死なすか自分が死ぬか禅問答を続けている そして雨は霧のようにわずかな音を立てて大気を満腹にし 消化液として風景を溶かす

小さな羽虫が群れを成して、そ
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