血道唱歌/
高原漣
眼(まなこ)を曇らせ歌う群衆
『夷狄一蹴進撃を』
『はや我が軍は重ねたり』
『軍港(みなと)を見れば百艦の』
『煙は空を焦がすまで』
踵を減らして踊る踏みしめる群衆
「ダモクレスの剣が、おれの頭上に吊るされる」と
あの男は言った
歌いながらおれたちは
ふと思い出したんだ
あの男の死に顔を
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