ウォーターフロント/渡邉建志
廊下、というよりも百貨店の通路のような広い
人が通り、買い物などしているような道の真ん中の
売り場の壁の後ろで、仕事に疲れていたわたしは携帯を見ながら休んでいた。午後四時半。
誰かが来て請求書のようなものを見せ、これをどうすればいいか教えてください、と言う。
隣の店の売り子なのだろうか、まだ慣れていないのだろうか。
わたしには詳しい事はなにも分からない、その仕事をしているわけではないし、
上司はどうしたの、今日はいないんです。そこに通りかかった、
その百貨店会社の秘書のお姉さんが、一緒に考えてくれる。
分からなければ、会社の誰かに聞けばきっと分かる。
事情を聞くと、まだ大学3年生
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