望み/
草野大悟
あたしは
村に住みたかった。
海のにおいのする
ちいさな、ちいさな村に
あなたと ふたりで。
あたしは
あなたとふたりの
空だけが
欲しかった。今も。
ふたりで
いつも
はんなりと漂う
空が欲しい。
あたしたちは
なんにも
望まない、し
なんにも
望んでこなかった。
ただ
ひとつ だけ
、を除いて。
ふたりで
ずっと
いたいという
ただ、それだけを
除いては・・・
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