失恋すら意味を持たぬ/ドクダミ五十号
 
愛していますと 言ってみたかい

かみそりの様な 三日月の夜にさ

過ぎる程の星の 瞬きの深夜にさ

河原で尖った石 探す様な手探り

積み上げてみる 崩れる音のする

瓦解しながらも 一番下の其れさ

弧を描くものの 不安定ながらの

実在も妄想でも 指で撫でてみよ

愛していますと 言って良いかと

躊躇う様にする そうして孤独は

嘲笑いのさらり 薄緑の河は流れ

気持ちは淀みの 岩に当たり渦だ

最早質問は無だ 叫びが貫くから

深い閉ざされを 超えて歌う時に

お前の瞳は貫き それと叫びとの

因果関係を見る 鮮やかに過ぎる

解放されたのだ 叫ぶ事は不要だ

瓦解した欲望と 見合わぬ天然さ


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