赤い翼を持った天使/
高原漣
沙の夜に
伽藍伽藍とまわせ
斜視の僧侶の足踏みが
韃靼韃靼と
おお踏む、沙の海に曼荼羅を描いてゆく
翔ける、赤い翼を持った天使が月から星へ
骸の上にも虹がかかる
まわせよ無明の左の眼玉
歪んだ水晶玉に映る赤い翼を持った天使が
紐帯を断ちにくる
染め赤や国の敗れて惨禍あり
ただひとときの春のまぼろし
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