目覚めゆく街/梅昆布茶
 
る手に
朝のひかりがみなぎり運ばれて街はとりどりに
息を吹き込まれてゆく

ぼくはそれを眺めていた
それは目覚めの時間の毎日違う趣向の断片詩

ときにそれぞれの歌が聴こえそうなほど
めまぐるしく表現された世界の色

今日もまたあたらしいキャンバスに
はじめての色彩ではじめての構図が塗り重なりはじめる

そして僕達はその風景の中に細めの絵筆で描かれる
背景のなかの小さな人影のひとつになる

一日がそっと歩き出してゆく

きっとだれかがどこかでねじを巻いているのに
ちがいないのだろう






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