誰もが腹を立てている/まーつん
有を造り出すこと
私たちの魂は 決して満足できないのだ
出来合いの料理のような 即席の食事には
今宵 舞踏室の屋根に
汗の霧を立ち昇らせる踊り手たち
だが彼らにとっては その優雅なダンスも
重い鎖に繋がれた心を引きずって演ずる 苦役でしかない
その口が奏でるジョークには
魂の傷跡から滴る血の味が
いつでも苦く染みこんで
その口元に笑いが浮かぶ時でさえ
彼等の眼は怯えたハイエナのように縮こまり
その眼光は角氷のように冷え切っている
そして 今宵
たなびく雲の波間を満月が走るとき
人々は己が剣を振るい始める
幾つもの
眠れぬ夜に
研ぎ
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