ゼロ/マーブル
 
いっせいに飛び散る鳥が
意識を疎らにしてくのを
待ち遠しそうにきみは
口笛吹き鳴らしながら
なんだか面白そうに
見おろしていた


片耳しか聞こえやしないよきみは心細そうな声で
嘆いていた
私には左腕しか使えないからそれならこうしよう
あのカモメが滑空した瞬間に初めてのハグをしよう

涙をすぐに拭う癖がついたんだ
いつしか忘れてしまっていた大事なことはこぼすことだ
拭ってばかりの誰かや自分にそう伝えたくて
私たちは
きっと
わらっていた
そしたらつられて
あの梟さんも


ブランコに赤い風船が
引っかかっていてそれを
見上げながらPeaceと叫んで
[次のページ]
戻る   Point(2)