雨の音を聞きながら書いた詩/rabbitfighter
 

直線は、生きている者の輪郭を辿ることが出来ない。

君のいるその部屋には、
水で満たされた花瓶があるだろうか、
そこに花は活けられているだろうか、
その花はまだ枯れていないだろうか、
直線は、生きている者の輪郭を辿ることが出来ない、、
果物は甘く熟れているだろうか、
窓は時々開かれるだろうか、
そこから風は吹き込んでくるだろうか、
その風はどんな匂いがして、
そこからどんな音が聞こえて、
同居人たちが、
優しく寝息を立てていて、
やはり君も、彼らの名前を知らない。

なぜなら彼らもまた、何も選択しないままやって来たから。
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