第一回バルクメール選手権/がらんどう
あ、あと何て呼んだらいいでしょうか?
平田のことは、平田と呼んでください☆
<評>
この作品はまず「ちょっと前の書き込み」に対して返信している。それがこの作品の第一の技巧である。受信者がその書き込みを忘れている可能性を考えるという反応を期待しているのである。
自己紹介の書き方も自然で上手い。初対面でスリーサイズなどを書くというのはいかにも不自然であり、この作品のように趣味から語りはじめるというのが自然であるだろう。
好きな作家が筒井康隆というのもなかなか上手い選択である。筒井の「初期の不思議な実験的な短編」を好きというあたり、いかにも読書好きという印象を与えている。これが村上春樹あたりが好きと書いていたら、まったく違った印象になったはずである。
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