片見月/HAL
夜が
きみと観た最後のお月見になってしまった
きみは十五夜と十三夜の月を
天の上から観ているのだろうか
天の上から観る十五夜と十三夜の月は
こうしてぼくが地上から観ている月とは違うのだろうか
ぼくはずっと片見月にならないように
ことしの九月三十日の十五夜の月は観た
もうすぐことしの十三夜が近づいてくる
毎年その月は唇をかみしめても滲んで観えるのだけれど
ことしの十三夜は十月二十七日
きっとまたきみを想い出しながら
仰ぎ観る月は滲んで観えるだろうけれど
だけどやっぱり十三夜の月をぼくは仰ぎ観るだろう
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