オマージュにオマージュ/佐々宝砂
 
そういえば私は批評を読むのが好きだ。詩を読むのが苦痛になりかけているとしても、批評を読むのは苦痛ではない。それは私にとって快楽だ。みつべえさんの批評を読んでいて、思い出した。私は、いい詩を読みたいなあと思うのとおなじくらいに強く、いい批評を読みたいなあと思う。ほんとに単なる読者としてそう思う。私は自分が詩人や批評家であるといいきる自信を持たないが、読者だと断言する自信ならものすごくある。

みつべえさんの批評は、まず「風のオマージュ」という通しタイトルがすてきだ。とりあげている詩人たちも私の好みにあう。個人的好みなんか批評に無関係? いやそんなことないよ、私はやっぱり自分の好みに正直でありたい
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