地下世界の大地図 / 鉛筆を握りしめて/beebee
その大文字の横には翼竜が飛んでいた。
紙の余白の全てを使って隅から隅へ広がっていく世界があった。
だからスーパーのチラシなんかよりずっと大きな
使い古しのカレンダーが大好きだった。
兄ちゃんの部屋からはがしたポスターが大好きだった。
カレンダーやポスターの裏はてかてかしていて、
鉛筆がうすく滑っていく。
ぼくは幸せいっぱいで鉛筆を握りしめ
畳の上で世界創造に励むんだ。
ぼくは世界の神様のように何でもできた。
完成!!
でも完成したんだけどここまで来るとぼくは満足して、
次の地下世界の絵に取り掛かるんだ。
どうしてあの頃は何枚も何枚も飽きないで書くことができたんだろう。
どうして地下世界だったんだろう、分らないけど、でも、
思い出すと何だか今のぼくにも力が出てきたような気がするんだ。
さぁ、リングノートを持って来い!
世界を創り出そう!
って、凄んで見たりして ヽ(ー_ー )ノ
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