ノイズ・イノセンス/
佐藤伊織
やがて暗闇がノイズのように
部屋の窓から流れ込み
わたしの視界を埋めていくので
心が水色の蛍光色が
浮かんで
消えて行く
夜が来るから
どこかにいたことは
たしかだけれど
あの
マンション
は
いったい
どこにあったのだろう
私は
ノイズに囲まれたまま
夜が
私を
かくし
あそこで
私は
何を
していたのだろう
窓から溢れ出す
ノイズを見ていた
私は
あの時の私は
何を
していたのだろう
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