あなたがいた頃/
チアーヌ
気温が下がって
空気の色が透明になった頃
あなたの部屋からの帰りはいつも
背の高い雑草を
踏み潰しながら歩いた
道路を
通らずに
今はもう
あの空地はないだろうけど
あの頃平気だったコオロギ
もう触れない
つまらない大人になりました
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