女になるということ/salco
々と同級生がなって行く、
話に聞いた「あれ」が
とうとう自分に起こったのを見た
その日の為に準備していた歓喜は覚えず
安堵もなく、かと言って慄きもない
ただ、ぬらぬらと血液が光る、
ポリエステルのスコートに嫌気がさした
自分の体から痛みもなく血が流れる、
その無惨に嫌気がさした
急に疲れを感じた
すると初めて、お腹の奥深い所に
「在りか」を知らせる重みを感じた
不思議な身体。
そのようにして女になり
体は一年で変わってしまった
すっかり重たくなってしまった
ハードルや競走に腿を上げるさえ億劫なほど
今や私のおっぱいは
水を詰めたビニール袋のように柔らかい
いまだ体は齢ごとの変化を辿る
女であるって、そういう寂しさだ
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