水中戯曲/ただのみきや
 
たり
  行く末を憂いだりなんてもうたくさん
  食べて眠れるならそれで結構じゃない
         所詮人間に囲われた身
         働かざる者なんだから

      代わり映えのしないこの庭で
       ゆらりと踊ってみるけれど
      ゆるりと舞ってもみるけれど
        意味を問うことをやめて          
          考えることを止めて


        ぱくぱく

      ぱくぱくと


六年前の夏の日に
息子が掬った金魚が二匹
今夜も見開いた眼で眠りに就く
どんな夢を見るのだろうか
夢は迎えに来るのだろうか

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