水中戯曲/
ただのみきや
まるで舞台セットのよう
蛍光灯の光が融け込んで
透き通った 小さな庭園で
水草ゆれて
ふわりと
紅金色の着物も褪せた
年増女が二人
よもやま話
ぱくぱくと
ぱくぱくと
互いを理解し合わなくても
わたしたちは楽しめる
少しは理解できたなら
もっと互いが好きになれる?
たぶん無理よ その逆よ
たくさん理解したなら
あるいはそうなるかもね
自分の境遇を嘆いたり
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