秋夜/
暗闇れもん
寝ている頬にそっと触れる
夜風になって空を踊る
月の歌声に耳をすませて
胸に生まれた赤い蕾が
ようやく花ひらく
絡みつくように現れたトゲが
縛りつけ声も出せない
熱いしずくをこぼし
そっと唇をひらく
唇に飛び込む無数のトゲ
痛みより寂しいのはなぜだろう
遠くを夢見て眠る
トゲに寄り添い
長い雨を降らす
戻る
編
削
Point
(2)