信仰と文学に関するメモ 一/るか
明の精神中枢としての宗教に敏感であったことは必然である。
科学とは、「科学精神」ともいうべき、分化と共にあって普遍的たらんとする精神的・知的労働であるということができるが、それが有する本質が否定=疑問にあるとするならば、それは本来、そのままの形では、個人および文明の精神的中枢たることはできない。したがって、科学はイデオロギーや神話、すなわち宗教的な形姿を与えられることによって、いわば擬似宗教として、歴史的な宗教のポジションを交代しようとするベクトルが、近代性の基本線をなしていた、そんな言い方もできるであろう。
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