街角で簡潔に詰め込んだ食事のあとで/ホロウ・シカエルボク
 
はこない
種はもうどこにも広がらない
人工アルコールマーガレット
いまだけの命を咲く
乳母車に乗せた赤ん坊をつれた若い母親が
ゆっくりとその花に近づき
綺麗と言って鼻を鳴らし
いい香り、と言って去っていく
きっとダンナも同じ臭いなんだろうさ
育まれる小便臭い愛
そこから生まれるのは黄ばんだ胎児だろう


冬が来るよ
冬が冬が冬が来るよ
いっしょに行こうよ
いっしょに行こう
きちんとした花が咲くどこかへ
ウィラブユー
オールニーディズラブ
ロックンロールの本質が愛ではないことが
そこではもっとちゃんと確かめられるはずさ



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