ジョーイ/ホロウ・シカエルボク
来事をなにもかもきれいに見えるようにした、赤く染まった床、きみの手、きみの服、そして、彼女の服、彼女の身体、彼女の…顔…昨日までは確かにきみが大好きなロザリーだったひとかたまりの肉、どうしてこんなことになったんだ、きみは考える、でもなにも満足に答えを出すことが出来ない、じっと痺れてしまったあとみたいに身体が縛られていて少しも動くことが出来ない、そうするうち母親が自分たちを呼ぶ声が聞こえてくる、その声はだんだん近くなる、母親は階段を上がってこようとしているのだ、待って、ママ、来ないで、きみはそう叫ぼうと思ったけれど声を出すことが出来なかった、考えることも、動くことも出来なかった、ちょうど今のきみと同
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