ジョーイ/ホロウ・シカエルボク
 



無菌状態に保たれた部屋の中できみは横たわっていた
酸素と、栄養を身体中に装着された管から受け取りながら
常に心拍数や体温をチェックされていた
みんなきみのことを眠っていると思っていた
その昔もっとも愛おしく思っていた妹をきみが手にかけたことを
大人になったきみ自身が許せないでいるから目覚めないままなのだと
きみがきみ自身で
すべての扉を閉ざしているのだろうとみんなそう考えていた
きみが
大人のための施設へと移動する車から抜け出して
あの呪わしき子供時代を過ごした生家の
あの呪わしき部屋の中で妹と同じように血塗れで倒れていた時
誰もがそれを贖罪だと思った
きみが
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