ホットコーヒー ふたつ/あかり
ってゆく温度が愛おしい
あなたは煙草を吸ってばかり
退屈でしょうが 我慢して
「飲まないの?」
「いらない」
「なんで?」
「手が寒かっただけだから。中身はどうでもいい」
そんなあなたには、缶コーヒー程度の愛で十分だね
と、言いたかったけれど
あたしの中身だってもうどうでもいいんじゃないの
と、言いたかったけれど
冷えてしまったのは体だけじゃなかったから
もう余計な毒は吐かないようにしようと決めた
寒がりのあなた
こんな季節にさよならなんて酷でしょう?
春が来たら 全て溶かしてくれんのかしら?
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