コンバース/板谷みきょう
学校が終わってからとか
授業をサボってとか
「やっちゃんの部屋」には
いつも集まってる奴らが居た
ブリティッシュロックとか
ウエストコーストとか
洋楽のアルバムを掛けながら
コーヒーを落としてくれて
カンパ缶が置いてあって
御代は幾らでも構わない
ちょっとした洋楽喫茶だった
夜中までエッチな話や
女の話や
将来の話や
音楽や小説や詩、映画の話や
それぞれが夢を
好きなだけ語ることができた
それは若しかしたら、僕らの
「トキワ荘」だったのかも知れない
夜中に突然
「チャリで走ろうぜ!」
誰かが言うと
皆でチャリに乗って
街中を徘徊した
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