罪が歩き、存在が溶けるまで、/狩心
 
爽やかな風

ここは聖地ではない
一体ここは何処だ
消えた仲間 武器だけを残して
ひとりずつ減っていく

ここは地獄

やっと故郷への希望/道が
目前に現れたというのに
何たる事か私は
超自然の集団によって石の上
撲殺される

遥か昔より
この血に巡って根ざし
土を体に塗り
沈黙の中
生きてきた
原子
住民
にとって
私は

ただの病原体にしか過ぎなかった

我、石の上にて擦り潰れ
それを見届けた黄金色の少年は
地平線から放たれる海の光にゆっくりと消され
原子
住民の
物事を叩く鈍器だけが存在を
肯定し罪を肯定し
存在を否定し罪を洗って
ゆっくりと消えていく
歩む原子
住民たちは
森の中へ

静かに








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