結晶/
瀬崎 虎彦
チタンのように平坦な夜
音ばかりが暗がりを分けて
羽ばたく
一秒ごとにかたちを変えながら
身ごもる月 流産する月
苦しみを丸く閉じて流星を包む
理路の極北にひっそりと息ひそめて
まばたきもせぬように沈黙を数える
ピッチのような粘性の
暗がりの中で羽ばたく流星の
ひっそりとかたちを変えるチタン
それはとてもかたいものなの
不自由を結晶にしたら
そうなるくらいかたいものなの
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