塩とプラム/Debby
曲がり角を曲がらない、繰り返された言葉の、まだきみは、身体をゆらし、はじめない、否定されたなにものかの、深夜に、テレビが途絶えた後のあの、否定されたなにものかが、きみはまだ早い、カーヴを歩く、電信柱がゆるやかに、とろける、八月のはじめだ、くりかえした、雨降りの気配が、もうずっと遠くに、去ってしまったあとに。
(停滞)
台所で塩たちの湿気ていく音が、冷蔵庫のうなり声が、スプーンとスプーンの隙間で、いびつな反響をくりかえしている君の部屋だ。低い音が、断続的に、予見している、挿入された不協和音、まだ早い、きみはまだ早い、ブレーキ音が窓の外を通り過ぎる、予見されたものものと、兆された全
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