スピスパスパパ/
灰泥軽茶
そこには空き地が広がっていた
小さな空き地ではあったけれど
空の眺めは最高だった
スピスパスパパ
スピスパスパパ
近くの町工場の音が
雲の流れが幼い私を
ベルトコンベアーに乗せ
立派な超合金製の人造人間に作り替え
どんな高い所から飛んでも
体がふわりと浮き平気な気がしていた
今はもう小さな空き地も町工場も
練り消しのような住宅街へと変貌したが
スピスパスパパ
スピスパスパパ
という稼働音だけは
どこからともなく聴こえてくる
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