未来はまだ白紙のまま/竜門勇気
ほんのちょっとだから
俺の恋人になって下さい
歯糞ぐらいにすこしだけ
ダイヤモンドみたいにめんどうな好意で
ちょっとだけ
ほんの少しでいいから
セックスさせて下さい
カーディガンに指を触れて
そんでおしまいだから
それで俺と別れて下さい
それで嫌いになって下さい
あー
いつまでも
いい思い出だけがあるのは
どんな夢のなかなんだろう
頭の中で繰り返すたびに
良かったことも
汚れてしまうよ
こおろぎの羽みたいに
いつまでも震えてはいられない
汚れていないだけの
明日がまた来る
過去は白紙のまま汚れている
絶望を覚えるたびにそれをつきつけられる
ペンが触れなかっただけで
なんども夢は書いたのに
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